問題と真摯に向き合う「作図編」

中学3年生女子の生徒様とのやりとりです。

長編、二本立てです。
まずは一本目、「作図編」です。

問題と真摯に向き合う「作図編」

受験に向けてコツコツ頑張っています。
コツコツでは物足りない表現です。
ガッツリガッツリ頑張ってくれています。

そして、塾教材を使っています。
学校の定期試験や実力試験で出会わなかったような問題が載っています。
入試問題でちゃんと解き進められるようになるために、難しめの教材を使っています。
苦戦しながらも、良いペースで進めてくれていますね。

作図の問題の理屈がわかるか?

作図の問題は山形県では毎年出題されています。
しかし、中1で作図をして以来、しばらく作図らしい作図は無いんですよね。
中々対策が難しい問題の1つではあります。

一方で、実力試験で出題される作図の問題は正答率は高い傾向があるでしょう。
それは難易度が抑えめになると、「とりあえず角の二等分線か垂直二等分線引いておけば正解する」からです。
理屈抜きに当てずっぽうで作図して丸がもらえてしまいます。
これでは何の勉強にもなっていないですね。

塾教材の作図の問題は適当に作図して丸になるような問題ではありません。
そして、ボクが後ろから、監視しています。

毎年次のようなやりとりをします。

生徒様:(こう・・・かな?)
那須:なんでその作図で答えになるの?
生徒様:(えっ?なんでって・・・)
生徒様:なんとなく、これでなるかなって・・・
那須:おっけ、ありがと!
那須:垂直二等分線っていうのはね・・・
・・・くどくど・・・
那須:だから垂直二等分線を引くと、問題の条件に当てはまるPを作図できるんだねえ

ここでちゃんと理解できた方は、その後毎回正解します。
「ま、いっか」で終わらせてしまうと、いつまでもなんとなくで解いています。
※ボクの指導力がまだまだ未熟なせいですね・・・

という事で生徒様も作図に挑戦してくれました。

那須:・・・(ジーッ)
生徒様:(うーん・・・)
那須:・・・(ジーッ)
生徒様:(うーん・・・)

色々挑戦してくれています。
本当に問題一つ一つに丁寧に対応してくれる生徒様です。

ボクが数学の才能として重視しているのは、この問題に向き合う姿勢です。
ちゃんと向き合って自分で答えを出す。
答えに頼らない。
時間は有限なので、限度はありますけどね。

ボクも口を出したいけど我慢します。
※つい助言したりしてしまうのですが・・・

伸びるでしょうね。
伸びて伸びて・・・末恐ろしい感じです。

生徒様:(うーん・・・)

少し手が止まりだしたので、状況を確認して見ます。

那須:この垂直二等分線はさ、どういう点をもとに作図したの?
生徒様:これはですね・・・
那須:なるほど、ありがとう。

今の方針の問題点を指摘します。

那須:このXとかYっての線分を表すための記号で、問題で与えられた点ってわけじゃないんだよね。
那須:XとかYの取る場所で答えが変わるような作図ではないってことだ。
生徒様:(・・・確かに)あ・・・そうですね。

ここで垂直二等分線についても確認しておきます。

那須:垂直二等分線ってどんな線?
生徒様:この線の真ん中を通って・・・、
生徒様:垂直な線・・・?
那須:そう、それが基本なんだよね。
那須:でももう一個。
那須:垂直二等分線上の点は、その作図に使った二点から等しい距離にある点なんだね。
那須:だから、「二点から等しい場所にある点を見つけるためには垂直二等分線を引く」がセオリー

そして、別のアプローチを考えます。
すると正解に近づくための線が引かれました。

那須:(おぉ・・・)

ただ、また少しそこから悩んでいるご様子。

那須:少しゴール地点から考えてみるのはどうかな?
生徒様:(・・・?)
那須:作図する点Pはどの辺にありそうかは想像つく?
生徒様:・・・この辺かな?
那須:うんうん、良いね!

問題の内容をちゃんと理解し、辺りはついています。

那須:で、点Pがあるとしたら、どんな作図になるか。
生徒様:(うーん・・・こんな感じ?)
那須:ぉ、その線があると、どんなことが言える?
生徒様:この角とこの角が等しいですね。
那須:うんうん。
生徒様:この三角形が合同になって・・・
那須:うんうん。
生徒様:(・・・あっ!)

正解となる作図が閃いたようです!
心の中でガッツポーズです。

この線を引くと合同な三角形が出てくる。
だからその線を引けばいい。
そうやって、作図の問題で何故その線を引くのかを学んでいってもらいます。

生徒様:(こうして・・・これで終わりかな?)
那須:そうだね!
那須:うん、最後にPを忘れずにね!w
生徒様:あっw

この問題の類題なども簡単に紹介して、いったんこの問題から学ぶべきことは学べたと思います。

骨の髄まで!

しかしこの問題、ここで終わりにするにはもったいない。
問題の骨の髄までしゃぶり尽くします。

那須:三角形の合同があったよね。
那須:今までは合同って証明するものだったじゃない?
那須:でも、こうやって、合同を手段として使う事もできるんだね。
那須:合同な図形は角度や線分の長さが等しい。
那須:合同が言うために、他の合同を示して、その結果を使うような問題もあるからね。
生徒様:(そんな問題が・・・!)
那須:(この感じだと、いきなり解いちゃいそうだな・・・)

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