学ぶ話? それとも、行く話?

中学2年生男子の生徒様とのやりとりです。

学ぶ話? それとも、行く話?

中学2年生はto不定詞の話が続いています。
こちらでも記事にしましたが、中学2年生英語の山場です。
中学英語の山場と言っても良いかもしれません。
中学2年生の英語が最初の山場を迎えています
生徒様との日常です。 いつ来ても大丈夫、何時間でも大丈夫な塾だからできる授業風景です。 様子を想像しながらお楽しみいただけましたら幸いです。

to不定詞は英語の基礎がわからないと、どんどんわからなくなってしまうでしょう。

問.次の日本文に合うように、単語を並べ替えなさい。
米沢の伝統を学ぶために図書館に行くつもりです。
am/go/going/I/learn/library/of/the/the/to/to/to/traditions/Yonezawa/.

「to」が3個もあります。
どうでしょう?

背景

中々その基礎を、入塾時点で理解している方は少ないです。
英語は単語をどこに置くかで役割が決まります。
役割とは品詞です。

みんな品詞をあまり意識せず、なんとなくで英語を理解しようとしています。
品詞を理解していなければ、単語を正しく覚えることはできません。
品詞を理解せずに、中学英語で安定して高得点をとることは難しいはずです。

to不定詞は、名詞にも、形容詞にも、副詞にもなります。
文の中のどこにto不定詞が位置するかで、品詞が変わります。
品詞の理解が曖昧だと、どう捉えて良いのか判断できません。
品詞が曖昧でも問題に正解する事もありますので、「できている」と誤解してしまいます。
明確に判断し、運ではなく、確実に正解できるような理解をするべきなのに・・・。

付け焼き刃

しかし、一朝一夕で品詞を理解することも難しいかもしれません。
試験は待ってはくれませんので、対応できる力は与えてあげないといけないですね。
現段階では「付け焼き刃」の方法で判断できる力を授けます。

問.次の日本文に合うように、単語を並べ替えなさい。
米沢の伝統を学ぶために図書館に行くつもりです。
am/go/going/I/learn/library/of/the/the/to/to/to/traditions/Yonezawa/.

さて、この話、主語は何でしょうか?
「私」ですね。
「I」が最初に来ます。
ここまではほぼ全員が正解します。

次で割と多くの方が間違えます。

動詞は何?

過去何回言ってきたでしょうか。
英語の定期試験で高得点をとっていても、結構この質問に正しく答えられない場合が多いんですよね。

基本的には主語の次に来るのは動詞です。
もちろん、主語を修飾する形容詞句や、助動詞、頻度を表す副詞が来ることもあります。
さて、今回は・・・?

「学ぶ」という動詞と、「行く」という動詞があります。
「~です。」とあるのでBe動詞だという方もいるかもしれませんが、それは止めましょう。
「私はこの本が好きです。」は「I like this book.」で動詞は「like」です。
変な癖がついて「I am like this book.」と書いてしまう方がいるのは、「です=be動詞」という変な教え方のせいでしょう。

日本文から動詞を判断するとき、ほぼ文末がどうなっているかですね。
「行くつもりです。」です。
「行く」という動詞が、この文の動詞です。
それに「つもりです。」という助動詞がくっついたケースですね。

さて、文末を見るのも良いのですが、文のイメージをとらえて欲しいと思っています。

この文、学ぶ話?それとも、行く話?

この話、「学ぶ話」ですか?
それとも、「行く話」ですか?
「行く話」ですよね。
「学ぶために」は「行く」という動詞の「理由」でしかありません。
ここを理解できるようになると、英語は非常に簡単です。

という事で動詞は「行く」、そして「つもりです」です。
「I am going to go」

なおここでいったん日本文を分けておきます。
「米沢の伝統を学ぶために図書館に行くつもりです。」
の「米沢の伝統を学ぶために」が無くても、文は成り立ちますよね。
「(米沢の伝統を学ぶために)図書館に行くつもりです。」
として、まず「図書館に行くつもりです」という文を先に作りましょう。

to不定詞を使った文ではこのように、日本文に動詞が複数入ってきます。
この動詞の中でメインの動詞を選び、サブ的な動詞は後で考える事で問題がぐっと簡単になります。

「go」という自動詞は目的地を「to 場所」や「there」という副詞で指定します。
ここも非常に理解されていないところですが、品詞を正しく理解できていないからですね。
「go the library」というように、「go」の対象として、名詞の「the library」を置く事はできません。
ちなみに「the」の使い方も難しいですが、ここでは割愛します。
「I am going to go to the library」で「私は図書館へ行くつもりです。」となります。

ここまででいったん文としては完成しています。
後はおまけの「米沢の伝統を学ぶために」を作ります。
そこで活躍するのがto不定詞です。

「学ぶ」の意味の動詞「learn」に「to」を付け、「to learn」とします。
これで「~を学ぶために」という副詞句や、「~を学ぶための/学ぶべき」という形容詞句、「~を学ぶこと」という名詞句を作ることができます。
後は学ぶ対象を「learn」の目的語としておいてあげればいいんですね。

さて、何を学ぶのか?
「伝統」ですか?
「米沢」ですか?
「伝統」ですね。
よって、「to learn the tradition」になります。

どんな伝統かというと、「米沢の」伝統です。
「Yonezawa」の前に前置詞の「of」を置き、「米沢の」とします。
「of Yonezawa」という形容詞になり、2語以上の形容詞は名詞を後ろから修飾します。
「the tradition of Yonezawa」
つまり、「to learn the tradition of Yonezawa」で「米沢の伝統を学ぶために」という副詞なります。

今回作った副詞は「目的」の意味です。
これはメインの文の目的語よりも後に置きます。
「I am going to go to the library to learn the tradition of Yonezawa.」
これで完成です。

このレベルで理解する

いかがでしたでしょうか?
自分で解くのは難しいかもしれません。
でも、品詞の解釈に基づいたガイドがあれば簡単じゃないですか?
この品詞のガイドを自分でできるような理解をして欲しいんですね。
中学英語の問題で正解を答えるためには、この理解が必要となるでしょう。

英文応答の答え方、日本語訳の作り方等の問題で、得点するためのポイントもあります。
ですが、根底にあるのはこの品詞を理解し、英文中のどこに位置するかでその品詞を見極める力が最も重要となるでしょう。

やりとり・・・?

っという事で、上記のような話を生徒様にしました!

生徒様:あ、そういうことなんですね。
生徒様:じゃあ、この問題の動詞はこれだ!
那須:正解!
生徒様:残った動詞にはtoを付けるんですね。
那須:正解!
生徒様:この問題簡単ですね!
那須:そうでしょ!

全部が全部理解できているわけではありません。
ただ、メインとなる動詞を選ぶことができるようになりました。
そして、残りの動詞をto不定詞として使うという事もできるようになりました。
これだけで英語の並び替えの問題はほとんどできちゃいます。

「動詞は何?」
英語の問題に答えるときは必ず考えてください。

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