どんどん使わなきゃ

中学3年生女子の生徒様とのやりとりです。

どんどん使わなきゃ

新しく学んだことは使って初めて理解する。
聞いてわかった気になっているだけじゃ、中々身に付きません。
どんどん使わなきゃ!

使う前の理解

数学の計算問題として文字の式に、文字の値を代入して式の値を求める問題があります。

次の式の値を求めなさい。
(1)x=2,y=-1のとき、x2+2xy+y2

この問題は普通に代入して求める事もできてしまいます。
x2+2xy+y2
=22+2×2×(-1)+(-1)2
=4-4+1
=1

これも正しいやり方です。
しかし、こういった問題はまずは式の形を変えるという事を考えましょう。
展開できる形の問題であれば展開する。
因数分解できる形の問題であれば因数分解する。
そうすることで、代入したときに素早く計算することができます。

x2+2xy+y2
=(x+y)2
=(2+(-1))2
=1

では次のような問題はどうでしょうか?

(2)x+y=2,xy=-1のとき、x2+y2

「代入できない・・・」

そうなんですね。
まず、このままでは代入できません。
では因数分解できるでしょうか?

「因数分解できない・・・」

そうなんです。
ではどうするのか?

数学は無駄がありません。
「x+y」と「xy」の値はわかっています。
xとyの値が分からなくても、x2+y2を「x+y」と「xy」で表すことができれば良いんですね。

ここからは色々な考え方ができます。
x2+y2にはx2とy2の2次式が含まれています。
「x+y」と「xy」でこれらを「作る」ためには、1次式の「x+y」を2乗するのが良さそうです。
(x+y)2=x2+2xy+y2
さて、この等式には、欲しかったx2+y2が含まれています。
2xyという邪魔者がいますが、これは左辺に持って行ってしまいましょう。
(x+y)2-2xy=x2+y2
よって、左右を入れ替えると、
x2+y2=(x+y)2-2xy
すると、「x+y=2,xy=-1」を代入できますから、
x2+y2
=(2)2-2×(-1)
=4+2
=6

他にも何パターンか説明できますが、今回は割愛します。
ただ、色々な方法で説明していると、どれかはわかりやすいのが出てきます。
「あ、なるほど!」って説明がどこかにあるんですよね。
その方法でまずは練習して見ると、解けるようになりますね。

ちなみに、色々な説明を試すと、生徒様がどんな理解をしていたのかも結構分かったりします。
教えながら、相手の情報を吸収するんですね。

果敢に試す

という事で、生徒様にもいくつかの方法を紹介しました。
すると、その仕組みを理解することができました!

x2+y2
=x2+2xy+y2-2xy
=(x+y)2-2xy

という、割と理想的な方法がしっくりくるようです。

問題を進めていくと、この式変形が使えるシーンがありました。

生徒様:・・・(あ、これはさっきの・・・)
生徒様:・・・(ここが二乗になって・・・)
生徒様:カリカリ・・・(そのためにこれを足すから・・・)
生徒様:カリカリ・・・(これを後で引いておくと)
那須:(おお、使えてる・・・)

ちなみに、この式変形を使わなくても解ける問題でした。
しかし、果敢にこの式変形を使って問題を解いてくれました。

一応、問題を解き終わったときに補足します。

那須:この問題は、さっき学んだ方法試してくれたんだね。
生徒様:はい!
那須:いいね、ちゃんとできているよ!

那須:ただ、一応、こういうやり方が模範解答的ではあるかな。
生徒様:あ、確かに。
那須:これももちろん正解だけどね!

学んだことをすぐに使おうって考えてくれたんですね。
そりゃ、身に付きますよ。

  • やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ

山本五十六さんの有名な格言ですね。

させてみる前に、やってみてくれました。

続き

この山本五十六さんの格言には続きがありますね。

  • 話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず
  • やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず

生徒様が問題に挑戦し、悩まれているとき、口をはさみたくなります。
しかし、一呼吸、二呼吸、ぐっとこらえます。
じゃなきゃ、育ちませんから。

それでもなお問題に向き合う。
そこでようやく、ボクから出る「確認」。
そしてそれを踏まえた「ヒント」。

答えを教えるだけなら簡単です。
でも、答えを知りたいわけじゃないですよね。
できるようになりたいから、塾に来てくれているんですよね。

ボクがヒントを出しているときは、そのヒントがあれば解けるときです。
ヒントを頼りに諦めずに考える。
そんな生徒様方が成績を伸ばしています。

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