2-3=-1は頭の中でどう計算する?

中学2年生男子の生徒様とのやりとりです。

2-3=-1は頭の中でどう計算する?

中学校に入ると数学で扱う数量に「-」という自然数では無いものが出てきます。
直感的に「逆」の数量と言う事は理解しやすいと思います。
しかし「-3個」というものは目には見えませんので理解しにくいんですよね。

正負の数の四則演算は中学数学の多くの問題で登場します。
これが正確に計算できないと、数学で全滅してしまいます・・・。

生徒様が次のような問題を解いていました。

次の式を計算しなさい。
(1)(3x+2y)+(4x-3y)
(2)(x-2y)-(2x-3y)

正負の数の計算を、99.9%正解できるようになっていただく必要があります。

どう理解していくのか

成績上位の多くの方が、頭の中ではこう計算しているであろう進め方で計算してみました。

(1)(3x+2y)+(4x-3y)
=3x+2y+4x-3y
=(3+4)x+(2-3)y
=7x-y

(2)(x-2y)-(2x-3y)
=x-2y-2x+3y
=(1-2)x+(-2+3)y
=-x+y

もっと言えば、
(x-2y)-(2x-3y)
の段階で、文字が同じものの係数を見て、
=(1-2)x+(-2+3)y
=-x+y
となるでしょうね。

※ちなみに、慣れたら並び替えなどしない方が良いですよ。
※わざわざ手数を増やしてミスをしやすくなるうえに、時間が無駄ですから。
※「入れ替えないから間違えた」というのは、圧倒的に「頭を使った」計算練習量が足りていません。
※入れ替えて計算している限り、頭を使った計算練習量は蓄積されません。(されるが効果は低い)
※なお、私は1つの式変形で複数の暗算はしない方が良いと思っています。

3x+2y+4x-3y
を見て、
「xの係数は正の数同士だから+になるな、3+4=7だから、+7だ」
「yの係数は3の方が大きいから-になるな、3-2=1だから、-1だ」
という考えに基づいて、
=(3+4)x-(3-2)y
とするとか、
=x-2y-2x+3y
を見て、
「xの係数は2の方が大きいから-になるな、2-1=1だから、-1だ」
「yの係数は3の方が大きいから+になるな、3-2=1だから、1だ」
=-(2-1)x+(3-2)y
等で計算している方も多くおられるかもしれません。

人に説明するときはこのやり方で説明する事になるとは思います。
しかし、普段の計算をずっとこれでやる必要はありません。

正しい考え方に基づいた計算であれば、答えにたどり着くことはできます。
しかし、このやり方と、先に紹介したやり方では、随分理解の差はあるように思います。
前者に慣れてしまうと、「後者のやり方は回りくどい」感覚がありますね。

次のような「決められた方法」で計算する事はあまり数学の力にならないと思っています。

  • 正の数と正の数の足し算では、数字同士を足して正の数になる
  • 正の数と負の数の足し算では、符号は絶対値の大きい方の数の符号となり、数字部分は絶対値の大きい数から絶対値の小さい数を引いた数になる
  • 負の数と負の数のとき、数字同士を足して負の数になる

ボクは今でもその考えに変わりはありません。
このルールを覚えて計算していると数学の力は身に付きにくいと思っています。
しかし、このルールでも良いからとにかく正しい計算が出来れば良いというのも、また一つの考えでもあります。

正の数と負の数の足し算が計算の度に「どうなるんだっけ・・・」となってしまう場合、とりあえずこのやり方を覚え、そのルールに従って計算すると、とりあえずの答えを出せるようになります。
まずは正解できるようになって、それから負の数の理解、加法と減法の理解を深めるというのも、1つのやり方なのかなとは思います。

正解できるように!

今回、「決められた方法」のやり方で解説しました。
※定期試験前で、急いでとりあえずの答えは出せるようになっておかないといけないので

那須:正の数と正の数の足し算では・・・
・・・(先の三つを解説)・・・
生徒様:(そうすれば良いのか)

で、問題を解き始めます。
一問目・・・正解。
二問目・・・正解。
三問目・・・正解。

那須:だいぶいい感じだよ!
生徒様:(おぉ、できてる、良かった!)

結局ほぼノーミスで計算できてしまいました。
もちろんそのこと自体は良い事だと思います。

正解できるようになったとはいえ

しかし、この状態は危険ですよね。
正しく理解できているわけではなく、ルール通りやったら答えの数字とは一致した、というだけなんです。
恐らくほとんどの大人の方は「2-3=-1」を計算できると思います。
そしてその過程で、「2つの数2と-3は異符号で、2と3だと3の方が大きいから3の符号の-になって、大きい3から小さい2を引いて3-2=1、だから-1だ」とはならないですよね?

とは言えよくわからなくても、ルール通りに計算してみて正解できれば、多少のやりがいと言いますか、喜びはありますよね。
でも、「そういう事か!わかったぞ!」じゃないんですよね。
「ルール通りできた!」なんですよね。
こういった覚え方は忘れてしまいやすいですし、応用も効きにくいです。

それでも大きな一歩です。
正解できるようになって、手応えも感じてくれているわけですから。

このときは定期試験に間に合わせるために仕方なくこの方法を使ってもらいました。
試験も終わりましたから、正しい方法を正しく理解してもらう必要があります。
さてどうやって理解してもらおうか・・・

理解してもらえた時の事を考えながら、そんな事を考えるのが楽しいですね。

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