中学2年生男子の生徒様とのやりとりです。
時差分、戻す?
社会の試験範囲に含まれていれば必ず出題されるであろう、時差。
生徒様が業者プリントの問題に取り組んでおられました。
どうでもいい話なのですが、「白プリ」というものをご存知でしょうか?
学校の先生が作ったプリントではなく、業者の作ったプリントが「白プリ」と呼ばれています。
学校のプリンターで印刷すると、紙が「藁半紙」の灰色がかったものです。
業者から購入しているプリントは良い紙を使っているので、「白プリ」と呼ばれているんですかね。
ということで、生徒様が白プリに取り組んでおられました。
生徒様が学校で習った後で、初めて塾で時差の演習を一緒にしました。
那須:時差と、時刻を求める計算、大丈夫そう?
このままじゃヤバイ。
時差を求める問題
問:日本とシドニーの時差を求めなさい。
問題ではシドニーの時間は東経150度で計算する事とされています。
また、日本は東経135度で計算することとされています。
この辺りは問題に書かれている情報を使うことが多いですね。
ここから先の計算は社会というよりも、理科や数学ですね。
地球一周360度を24時間で区切るので、15度で1時間ずれる事になります。
今回は経度の差が15度なので1時間ずれています。
問題の答えは1時間です。
時刻を求める問題
次の問題です。
問:日本が6月28日の午前9時の時、ニューヨークの時刻を求めなさい。
問題ではニューヨークは西経75度とされています。
このパターンで時差と言うものを正しく理解できているか問われます。
しかし、わかっていなくても二択で正解できてしまいます。
そういう意味ではかなり危険な問題ですので、2年生のうちにちゃんと理解しておきましょう。
まず、生徒様は東経135度の日本と西経75度のニューヨークを135度と75度を足して210度分のずれがあると計算しました。
那須:うん、良いね。
これは日本から日付変更線を跨ぐ方向ではなく、ヨーロッパ方面を通ってアメリカに向かう方向です。
このときどんどん太陽のくる方向の逆側に向かっていますので、時間はどんどん遡ることになります。
その遡る方向に210度分、15で割って14時間分ですから、6月27日の午後7時となります。
確かに時刻を求めるために、時間を戻しました。
しかし、戻すとは限りません。
日本を出発点すると日本は割と東の端っこの国なので西回りに進みがちです。
勘違いしてしまいやすいです。
試しに東回りに進んでみましょう。
日本の東経の135度から日付変更線側に45度、日付変更線からニューヨークの西経75度まで105度で、合計150度分のずれと見ることができます。
その場合、太陽の方向に進みますから、時間は先に進みます。
10時間分進めて、6月28日の午後7時になりますが、日付変更線を西から東へ跨いでいますから、日付を一日戻します。
つまり、6月27日の午後7時です。
正しい考えに基づいて計算しているので、いずれも同じ答えになります。
時差は戻すものだと勘違いしている方がいたら気を付けましょう!