最初の記事はこちらです。
炭酸水素ナトリウムを加熱する実験
炭酸水素ナトリウムを試験官にいれ、ガスバーナーで熱するという実験でした。
この実験では実験装置の図が重要で、今回はもっとも図が必要な回です。
しかし、著作権的にきれいなものはちょっと出せません。
汚いものも出せますが、教科書に必ず載ってますので、教科書を見てください。
この実験で問題になるのは大きく次の4点です。
- ①化学反応式
- ②発生する物質:二酸化炭素
- ③発生する物質:水
- ④発生する物質:炭酸ナトリウム
今回は炭酸ナトリウムについてです。
今までで最もなじみのない物資です。
なお、今回は少し覚えやすさのための工夫?を入れています。
そのため、中学2年生では知らない知識や、本当の事以外も含まれている個所があります。
それは都度触れます。
ただ、そういう箇所があると思ってみて頂ければと思います。
炭酸ナトリウム
化学式で書けばNa2CO3です。
「炭酸ナトリウム」
塊で分解して⇒「炭酸」+「ナトリウム」
元素記号に変換⇒「CO3」+「Na2」
後ろから⇒「Na2」+「CO3」
完成⇒「Na2CO3」
炭酸水素ナトリウムのときと多少異なり、Hがいなくなり、Naが2個になります。
これは中学3年生になるとNaが2個になる理由が少し説明できるようになります。
中学2年生のうちは我慢・・・覚えましょう。
知りたい方は聞いてください。
炭酸ナトリウムの性質
理解と言うよりも、この段階では覚えるしかないんです。
アルカリ性の微妙な違い
炭酸水素ナトリウムが弱いアルカリ性、炭酸ナトリウムが強いアルカリ性になります。
アルカリ性を調べる指示薬、「フェノールフタレイン溶液」で調べます。
薄く赤くなるのが炭酸水素ナトリウム、しっかりと赤くなるのが炭酸ナトリウムです。
中学3年生になると「H」が「酸性の素」であることを習います。
すると「酸性の素」であるHがいるとアルカリ性が中性に「寄り」ます。
だから「H」のある炭酸水素ナトリウムは弱いアルカリ性になる。
こうやって覚えておくと、色々役に立つかもしれません。
ただ、これが正しいかと言われると「たぶん違う」が答えです。
覚える上でそうやっておくと便利、という前提で覚えましょう。
水に溶けるかどうか
水に溶けるかどうかも事情は少し似ているのですが、こちらは3年生になってからの知識でも少し説明がつきません。
基本的には「覚える」ことになります。
炭酸水素ナトリウムが水に溶けにくい、炭酸ナトリウムが水に溶けやすい性質があります。
CO2の二酸化炭素が水に溶けると、H2Oと混ざって、
CO2+H2O→HCO3–+H+
というように水の方から酸の素のH+が出てきます。
「H+の+ってなんだ?」みたいのは、今は触れずにおきましょう。
とにかくここにHCO3–というものが出てくることに着目します。
これ、炭酸水素ナトリウムにもありますよね。
二酸化炭素と炭酸ナトリウムに共通するHCO3–・・・
これがいると、少し水に溶けにくい、と思っておくと覚えやすいかもしれません。
まとめ
ここまでを、文中の注意点を踏まえ・・・
- 炭酸水素ナトリウムは水素があるから弱いアルカリ性、炭酸ナトリウムは強いアルカリ性!
- 炭酸水素ナトリウムは少しとける、炭酸ナトリウムはよくとける
試験に出る理由
次に改めて何故この問題が出題されるのかに触れていきます。
その前に、ここまで読んで頂いた方は、どう感じたでしょうか?
「問題になりそうな箇所が多い・・・」
「記述式で聞かれそう・・・」
そう感じて頂けたら頑張った甲斐があります。
これが答えです。
1つの実験から得られる知識、問われる知識が多いので問題になりやすい。
更に昨今は選択式よりも記述式の問題が重要視されます。
この単元としては高頻度で出題されるので、もう暗記問題みたいになっている部分もありますが・・・。
入試でも能力を問う問題として色々な化学的な要素を含んでいる為か出題されやすい印象です。
それもあっての面もあると思いますが、学校の定期試験でも出題されます。
模試でも出題されます。
化学式そのものと、化学式に登場する3つの生成物に着目し、当実験を語れるようになりましょう!
試験にもよりますが、期待値的には12点位の価値があると思いますよ!
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