第一回目の記事はこちらです。
炭酸水素ナトリウムを加熱する実験
炭酸水素ナトリウムを試験官にいれ、ガスバーナーで熱するという実験でした。
この実験では実験装置の図が重要で、今回はもっとも図が必要な回です。
しかし、著作権的にきれいなものはちょっと出せません。
汚いものも出せますが、教科書に必ず載ってますので、教科書を見てください。
この実験で問題になるのは大きく次の4点です。
- ①化学反応式
- ②発生する物質:二酸化炭素
- ③発生する物質:水
- ④発生する物質:炭酸ナトリウム
今回は水についてです。
最も身近な水。
この実験では1つの重要な役割を持っています。
そしてこの実験には注意点が大きく2点ありました。
二酸化炭素に続き、今回も残りの1つに触れます。
水
化学式で書けばH2Oです。
普通「一酸化二水素」とは言いません。
なので、化学式は覚えるしかありません。
水は試験管内で熱された炭酸水素ナトリウムから発生し、試験管の口に付着します。
試験管で水が発生する?
炭酸水素ナトリウムが熱されてできる物質の水。
発生した直後は水蒸気、水の気体版です。
試験管の口は加熱部と違いそれほど温度上昇していません。
気体は冷やされ、液体になります。
そのため試験管内の口付近で水蒸気が水滴になります。
この水滴が厄介なんですね・・・。
水滴の行方
試験管のセッティング方法が重要です。
だから図が欲しいんですけどね。
加熱部である試験管の底を、試験管の口よりも上にします。
その理由は何か?
これが問題として出題されます。
試験管の口で水蒸気が水滴に変わります。
もし、試験管の口が上だったら・・・。
水滴は「ツーッ・・・」と試験管の底に垂れていきます。
試験管の底は灼熱の加熱部です・・・。
バリンッ!
水滴が加熱部に垂れ、試験管が急激に冷やされて破壊されます。
二酸化炭素編で、ガスバーナーを止める前にガラス管を水から出す必要がありました。
あれと同じです。
なお、おそらくガラス管まで到達する水蒸気もあるんじゃないかとは思います。
水を確認する方法
これも二酸化炭素同様です。
試験管の口に発生した液体らしきものは何なのか?
水を確認する方法は何でしょう?
前回の指示薬と試薬の一覧にありましたね。
塩化コバルト紙です。
塩化コバルト紙を付け、桃色になる。
これで水を確認します。
しかし、塩化コバルト紙は水を「含んでいる」と桃色になります。
食塩水でも反応してしまうので、純粋なH2Oとは言いきれません。
ですが、この実験の問題としてはよく出題されます。
前回の指示薬、試薬の表、今回も載せておきます。
薬品 | 何を調べるか | 見分け方 |
---|---|---|
BTB溶液 | 酸性、中性、アルカリ性 | 黄色が酸、緑が中性、青がアルカリ |
石灰水 | 二酸化炭素 | よく振って溶かし、白く濁るか |
リトマス試験紙 | 酸性、中性、アルカリ性 | 青いリトマス試験紙が赤くなったら酸 赤いリトマス試験紙が青くなったらアルカリ 両方変わらなければ中性 |
フェノールフタレイン溶液 | アルカリ性 | 透明なら中性、赤紫ならアルカリ |
塩化コバルト紙 | 水※ | 赤、桃色なら水 |
ヨウ素液 | デンプン | 青紫色ならデンプン |
ベネジクト液 | 麦芽糖 | 過熱して赤褐色なら麦芽糖 |
※塩化コバルト紙は純粋な水を調べるわけではないので注意
まとめ
- 実験装置で試験管の口を下にする理由を説明できるように!
- 水蒸気は試験管内で冷やされ、試験管の口付近に付着する
- 水の確認方法は塩化コバルト紙、その他の指示薬、試薬も抑えておく
次がラストです!
炭酸ナトリウム自体は少ない解説です。
しかし、改めて何故この問題が出題されるのかに触れていきます。