高校1年生男子の生徒様とのやりとりです。
数学、頑張ってますね!
高校1年生のこの時期、数学と英語は重要です。
因数分解なども複雑になり、不等式、二次関数など、その後の基本となるものばかりです。
そっちから攻める?!
今回は場合の数の問題の話です。
最も高い難易度でしたが・・・手応えを感じながら取り組めたのではないでしょうか。
場合の数の問題は発想次第で色々な解き方ができる面白さがあります。
0~6の数を使って4桁の数は何通り作れるか求めなさい。
よくある問題です。
0~6の数を使って4桁の偶数は何通り作れるか求めなさい。
たった1字で難易度はずっと高くなります。
この問題はボクの感覚的には「場合分け」です。
複雑な問題は条件を付けることによって話が簡単になります。
生徒様、色々な解き方を考えてくれました。
足していく
そもそもこの問題の難しさは次の2点です。
- 0は千の位には使えない
- 一の位は0,2,4,6のみ使える
これらの双方を考慮して考える必要があります。
1つの式で作ろうと思うとなかなか難しいです。
そこで場合わけです。
- 一の位が2,4,6のとき
- 一の位が0のとき
なるほど。
前者であれば一の位は3通りとなります。
千の位は一の位で使った数以外であり、かつ0以外になります。
1,3,5に加え2,4,6のうち一の位で使っていない残り2つで5通りです。
千の位でこの中から1つ使うので残り4通りになります。
百の位はさらに0を加えて5通り、十の位は4通りとなります。
3×5×5×4=300
後者は一の位は0のみで1通りです。
千の位は一の位で使った数以外ですが、0は一の位で使ってしまっています。
つまり、1,2,3,4,5,6の6通りで、1つ使うので残り5通りになります。
百の位は5通り、十の位は4通りとなります。
1×6×5×4=120
結果300+120=420通りとなります。
十分良いやり方の1つと言えるでしょう。
引いていく
次に多く数えて余分なものを引くという発想をしてくれました。
- 0~6の数から一の位が0,2,4,6になるようにして4個選んで並べる数
- 線の位が0で、1~6の数から一の位が0,2,4,6になるようにして3個選んで並べる数
ボクもこの発想はあまり考えていませんでした。
確かにこれも場合分けが成立し、計算も複雑になりません。
良いやり方の1つです!
前者は一の位は4通りとなります。
千の位は一の位で使った数以外です。
残り6つですから6通りで、1つ使うので残り5通りになります。
百の位は5通り、十の位は4通りとなります。
4×6×5×4=480
後者は一の位は2,4,6で3通り、千の位は0で1通りです。
2つ使っているので残りの5通りです。
百の位は5通り、十の位は4通りとなります。
3×1×5×4=60
結果480-60=420通りとなります。
ぱっと浮かぶ方法
ボクがぱっと浮かんだ方法です。
- 千の位が1,3,5の場合
- 千の位が2,4,6の場合
前者は千の位は3通りあります。
一の位は0,2,4,6で4通りとなります。
残り5つです。
百の位は5通り、十の位は4通りとなります。
3×4×5×4=240
後者は千の位は2,4,6で3通りあります。
一の位は0,2,4,6のうち千の位で使ったものを除き、3通りとなります。
残り5つです。
百の位は5通り、十の位は4通りとなります。
3×3×5×4=180
結果240+180=420通りとなります。
ちなみに何故そう分けるのか。
千の位で2を選ぶと1の位で選べる候補が4から3に減ってしまうからです。
条件によって式が変わる。
そんな時は場合分け。
考え方はみな違うのに
答えは基本的には1つです。
しかし、そこに至る過程は様々です。
問題を解く過程にはいろいろな方法があります。
これは数学に限った話ではありません。
なんでもそうですよね。
目的を達成するための手段は一つではないはずです。
自分の中で可能性の高い方法を決め、実践する。
やり方にこだわってはいけないと思います。
ただ、目的を達成するための姿勢はこだわるべきだと思います。
自分のやり方で目的を達成して欲しい。
諦めず。
数式が語る物語
なお、解答には「~の場合」等とは書いてありません。
簡単な絵と、数式のみです。
※なおこれは「~の場合」と書くようにしないといけませんが、今回の本題ではないです
数式を見て、どのような思考でその数式に至ったのかを考察します。
4×6×5×4=480
だけ見て、「これは0が先頭を含める場合も含めて4桁の偶数を作る数式だな・・・!?」と推測するわけです。
那須:・・・って考えたのかな?
生徒様:はい、そうですね。
数式だけ見て推測するのはなかなか難しいですよ。