暗記系科目をどう覚えるか

中学3年生女子の生徒様とのやりとりです。

暗記系科目をどう覚えるか

暗記系科目の社会と理科。
知識量が点数に直結します。
覚えたことを正しく思い出す事を試験中にできなければいけません。

理科は分野毎に暗記色の強さが異なります。
そして粒粒の知識毎に、どう覚えると良いかも変わってきます。

例えば塩酸という物質があります。
塩酸は塩化水素が水に溶けたときの名称で、ちょっと特殊です。
化学式で言えばHCl、水溶液中ではH+とClに電離します。
酸性の物質で、多くの金属と反応し、水素が発生します。

性質の1つ1つは、H+があるから酸性だとか、関連する事柄の理解も重要です。
このような性質を塩酸に紐づけて覚えたり、理解したりする必要があります。

一方で、循環器に関する話があります。
動脈血は比較的酸素を多く含んだ血液、静脈血は比較的酸素の少ない血液です。
心臓から肺を通って心臓に戻るルートが肺循環、肺以外の器官等を通って心臓に戻るルートが体循環です。
動脈は心臓から出る血管、静脈は心臓に戻る血管です。
更にこれは、肺循環上のものを肺動脈と肺静脈、体循環上のものを大動脈と大静脈と言います。
絵で示せば同じところ⇒を示すようなものが、何を基準に見るかで異なる名称を答えなければなりません。


汚い図で恐縮です。
「a」は「ここを通る血液を何と言う?」と言われたら「動脈血」です。
「aが含まれる循環を何と言う?」と言われたら「体循環」です。
「aの血管を何と言う?」と言われたら「大動脈」です。
同じaなのに。

分野毎に問われるものが違いますので、覚え方もそれに合わせてどう覚えていくのかを変えていかなければなりません。
あまり意識しなくても覚えることはできますが、深い理解にし、100%答えられるようにするためには、どのように覚えていくかも重要です。

と言う事で前置きが長くなりました。
そんな覚え方に関するお話から、何が勉強に重要なのかを考えていきます。

しんかんせんはかりあげ

生徒様が1年地学の、火成岩や堆積岩に関する問題に取り組んでおられました。
この分野も暗記が重要です。
特に火成岩の種別は6つも似たような岩石の種類が出てきますから、工夫が必要です。

諸説ありますが、教科書では次のように説明、分類されています。

火成岩の種別含まれる鉱物無色鉱物が多い
(白っぽい)
中間有色鉱物が多い
(黒っぽい)
マグマの粘り気強い中間弱い
深成岩花こう岩閃緑岩斑れい岩
火山岩流紋岩安山岩玄武岩

結構覚えるのは難しいですね。
そんなときに役に立つのは「語呂合わせ」です。

「しんかんせんはかりあげ」

しん:深成岩
かん:花こう岩
せん:閃緑岩
は:斑れい岩
か:火山岩
り:流紋岩
あ:安山岩
げ:玄武岩

順番もぴったりです。
素晴らしい覚え方ですね。

一応、こういった語呂合わせの注意点は、「これだけ覚えたらOK」ではない事です。
前提としてすべての岩石名を先頭の文字からすべて言い出せる事です。
また、「深成岩は地下の深い地点でゆっくり冷え固まった」という事は知識として覚え無ければ、結局得点には繋がりにくいでしょう。
これを使えるようになるだけの勉強は必要です。

なお、誰が考えたのか知りませんが、よく使われる語呂合わせです。
でもそういうものを紹介するための努力が無ければ、これを授業で紹介する事はできません。
授業でこういう覚え方までしっかり教えている学校の先生方、すばらしい。

ちなみに「しんかんせんはからあげ」ではダメです。
気を付けましょう。

先生、朗報です

生徒様もそういう先生の姿は見ています。

この語呂合わせでは無いのですが、生徒様が言っておられました。

那須:これ、どうやって覚えてるの?
生徒様:これは、先生が教えてくれた方法で・・・
那須:ほうほう、どんな?
生徒様:えっと、・・・・(説明)・・という覚え方です。
那須:おー、良い覚え方教えてもらったね~!

(学校の)先生の教えてくれたこの覚え方、すごく覚えやすくて・・・!

教えてくれた学校の先生に聞かせてあげたい!

ボクも当然のことかもしれませんが、日々どうやったら覚えやすいかとか、研究しています。
それが生徒様に伝わって、そして喜んでもらえたら、報われますよね。
別に報われたくてやっているわけじゃないですけども。
それでも喜んでもらえたら嬉しいんです。

感謝

生徒様は学校で同じ授業を受けているんです。

でもいつの間にか結果に差が出てくる。

暗記することが中心の科目であれば能力の違いはそれほど現れないと思っています。
「しんかんせんはかりあげ」はそこに至るまでの前提知識はあまり変わりません。
覚えることができるかどうかも、多少の能力の違いはあっても、暗記力に大差あるとは思えません。

こうした勉強に関することは覚えていなくても、好きなことは覚えますからね。
暗記力そのものに問題があると、遊ぶことも困難なはずです。
重要なことは、そのときにきちんと聞いていたかどうかです。

※とは言っても、暗記は難しいんですけどね。
※暗記を難しいという認識が無く「すぐに覚えられる」と勘違いしてしまい、覚えていないことが増えていってしまいます。

自分の能力を上げる、好奇心、授業中に先生の話すことを聞くという常識。
こういった事が総合的に、授業中に先生の話しを聞いているかの差になります。

ボクはその大きな要因の1つは、先生に感謝できるかどうかだと思ってます。
感謝と暗記できることが「=」ではないんですけどね。

学校の授業で先生が教えてくれたことに感謝できること、重要です。

まずは感謝するところから

先生の覚え方を良いと言ってくれていた生徒様も、先生に感謝できていると思います。

別の生徒様で、ただの模擬試験会場の主であるボクに、試験が終わるたび、
「ありがとうございます」
と、答案を渡した生徒様がいました。
※ある程度お辞儀をしてくれたりはありますが、ボクの印象に残るくらいの「ありがとう」でした。

その後一緒に勉強する機会を頂きましたが、それはもうすばらしい結果を残されています。
山形県内の模擬試験での順位が一桁台とか・・・。

もし学校の授業が分かりにくくて聞く気になれない方は、まずは感謝するところから始めてみると良いかもしれません。
とは言え、授業中に肩揉みさせて寝ている中学校教師が昔いましたので、そういうケースでは諦めて独学で頑張りましょう。
なんか先生の話し方が気に食わないとか、生徒指導で注意されたとか、そんな理由であれば、いったん水に流しましょう。
怒っても何も得なことは無いですが、せっかく教えてもらうのであれば、感謝したほうが得ですよ。
過去と他人は変えることはできません。
何かを変えるには「自分から」です。

時代も変わりましたし、そんな教師は米沢市内にはいないと信じておりますが・・・。

そのためにボクができること

「感謝してね!」なんてボクが言うのも変な話なんですよね。
ボクに対して感謝してくれって話になっちゃいます。

ボクとしては「感謝してもらえるような人間になる」ことが必要なんですね。

ボクはボクが努力すればいいんです。
でもボク以外の先生の行動をボクが操作することはできないんですよね。
ボク以外の先生にはちょっと騙されたと思って、感謝してみてって、そういう事です。

繰り返しになりますけど、ボクはボクが努力すればいいんで、ボクの事はわざわざ感謝しなくていいんです。
いやでも感謝してもらえるように努力するだけですから。

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