堆積する話

中学2年生男子の生徒様とのやりとりです。
実力試験はまずまずのご様子でした。
数学、英語は力を入れてくれている分が結果に表れるはずです。

堆積する話

今回は理科です。
臨時休校により中学1年生範囲がまだ終わっておらず、地層に関する単元です。

土砂が海底に堆積する際に海岸近くに堆積するのは、、粒の大きさが(①______)土砂である。
粒の①の土砂が(②______)沈むためである。

こんな問題です。

扇風機を川の流れに見立て説明しました。
こんな図ですね。

重いものを落としたら・・・ちょっとは動く。
軽いものを落としたら・・・結構動く。
ということで、一緒に絵を描いてみました。

「重い」は粒の大きさでは「大きい」に該当します。
①は海岸近くに堆積する粒の大きさを埋めますので「大きい」が正解です。
②は重い方が早く沈むということで「早く」が正解です。

しかし、この話を聞いて「ちょっと待った!」となりませんか?

物体の落下する速さは重さでは変わらないのでは?
鋭い!

これはガリレオ・ガリレイさん(以下敬称略)の実験が有名ですね。

ガリレオ・ガリレイ

「天文学の父」なんて呼ばれています。

当時は天動説(地球が中心で天(空)が動いている)が正しいと考えられていました。
これはキリスト教がそうしてきたからですね。
しかし、コペルニクスさんが地動説(地球が動いている)が正しいと言い残し、亡くなります。
色々あってガリレオが地動説を解き明かしますが、キリスト教に目を付けられてしまいます。
ガリレオの主張が正しくても、キリスト教的にはそれは受け入れられず、ガリレオさんは異端という判決。
判決がどう出ようと、自分の示した地動説が正しいということで、
「それでも地球は動いている」
と言った。

とされています。
この辺の話、本当はもっと面白いんです。
ただでさえ長い記事がより長くなるのでこの辺りにしておきます。

そんなガリレオの有名な話が「ピサの斜塔」の話です。
重さの異なる2つの物を、塔の上から落下させるんですね。
「軽い方が早く落ちるんじゃ?」と思いますよね。
しかし、落下した2つの物が地上に落ちてきたのは同時だったとか。

「軽い方が落下は遅い」と信じられてきました。
確かに「空気抵抗の大きい」羽のようなものであれば、落下は遅くなります。
真空中では羽も金属球も、同じように落下します。

土砂の堆積の話、「同じように落下するんじゃ?」、となっておかしくない話です。

土砂の堆積

では、土砂の話で粒の大きいものほど落下が早くなるのは間違いでしょうか?

これはやはり粒の大きいものほど落下は早いんですね。
「空気抵抗等」の影響が、水中では大きくなるからです。

れきも砂も泥も元は同じですから、密度に大きな差がないとすれば、浮力的な差はありません。
浮力以外の説明が必要です。
「ビー玉とスーパーボール」のような例えは通用しません。
形状も球だと考えれば、形状の差を使った説明もできません。
難しいですね。

物質の周りを流れる「流体」については流体力学という学問があります。
流体には粘つき具合を表す「粘度」という係数があり、水と空気では水の方が粘っこいんですね。
ボクも高専で学びましたがさすがに使わないので、思い出すには時間が必要な感じです・・・。

これらの計算をするためには、中学や高校の物理では通用しないのではないでしょうか。
ストークスの式によれば粒子径の2乗に比例するそうなので、大きければ大きいほど最終的な速度は速いとは言えるでしょう。
それ以外には感覚として「重いものが早く沈みそうじゃない?」という説明しかできません。
※解説を探してみましたが、その辺をしっかり見つめている解説はないですね。

中学生の理科、というよりも科学には意外とそういう要素が多いですね。
あの手この手考え説明させて頂きますが、難しいです。
中学生的な正解を言いつつ、「でも実際はね・・・」ということもよくあります。
そういった事から科学に興味を持ってもらえればなと思っています。

こうして堆積していく

知識量は勉強を助けてくれます。
地理的な話が天気の話に繋がる時があります。
どの教科も問題文を理解できないと問題に答えることができません。
国語、数学、理科、社会、英語、どことどこが繋がるかわかりません。

日々の生活で学んだ知識が堆積し、知識の地層を形作るのでしょうか。
ボクの知識が一枚の層となり、役に立ったら幸いです。

うま・・・くないですね、すみません。

終わりに

内容がだんだん勉強寄りになってしまいます・・・。
これではいけない。

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