- 定期試験と実力試験の点数や偏差値が全然違う。
- 勉強しても実力試験の点数や偏差値が上がらない。
こういったお悩みは多いのではないでしょうか?
このようなお声は良く耳にします。
定期試験と入試は別物
多くの方にご認識頂けているかと思いますが、定期試験の問題と入試問題は全く異なります。
そして、入試問題の方が明らかに難易度は高いと言えるでしょう。
冒頭のような点数や偏差値についてのお悩みは、入試問題でも同じようなことが言えます。
とは言っても入試は基本的には一度きりなので、全然違うという事実を見たときには、時すでに遅しとなっています。
そして更に定期試験との差は実力試験以上に広がるでしょう。
以下のような原因が挙げられます。
- 目的が違う。
- 出題範囲が違う。
- 作っている人が違う。
- 受験者が違う。
それぞれについて解説する事は今回はしませんが、考えて見ては欲しいですね。
一夜漬けで定期試験前に詰め込んで成績を維持してきた方は、受験はかなり厳しくなると思います。
試験で良い点数を取りたいという思いは良いのですが、見栄では無く、実をとって欲しいですね。
意味のある方法を選択してもらえたらなと思います。
入試問題での点数を知る
実力試験は定期試験より範囲が広いため、実力試験を「目安」とすることもできなくはありません。
しかし、実力試験では次のような傾向が挙げられます。
- 学校内の偏差値なので、偏差値はあてにならない。
- 出題範囲は広いため難しく感じる事もあるが、難易度的には実はそれほど難しくはない。
実力試験は試験範囲が広く、問題も良く練られて作られており平等な問題ですので、定期試験と比べて本来の実力が見えやすくはなっています。
定期試験では出題されない英語の長文問題が実力試験にはある等、難易度的にも多少は高くなっています。
しかし、入試問題の難易度とは隔たりがあり、定期試験の点数はもちろん、実力試験の点数もあまりあてにならない場合もあります。
入試問題の難易度と近くなっているものが模擬試験です。
受験直前で模擬試験を受けてみて、次の事実に気が付き手遅れになってしまうというケースがあるかもしれません。
原則「模擬試験」を早い時期に受験しましょう。
出来れば2年生のうち、遅くても3年生の夏休み前には受験しておきましょう。
- 定期試験と実力試験の偏差値ではさほど変わらないのに、模擬試験では大きく下回ってしまった。
これは実際に発生しやすい事象です。
何故そのようなことが起こるのか
これはやはり問題の難易度が違っているためになります。
試験では正解と不正解をはっきりと分けられ、0か1かという世界です。
ある程度理解があっても、正解できるレベルになっていればそれは0点です。
まったくわからない人と、少ししか理解のない人の得点はともに0という事になります。
これが、実力試験では定期試験に近い偏差値だったものが、模擬試験になったときに全く異なる結果となる理由の一つです。
もちろん母集団が変化するという違いが最も大きな要因となります。
偏差値は「平均点からの差」がその数値の大きなウェイトを占めますので。
学校ではすべての方が受験し、学校内での平均点が偏差値50となります。
模擬試験では学校外の方が受験し、更に模擬試験に申し込む意欲の高い方のみになります。
当然平均点は学校で行った場合の平均点よりも高くなります。
学校の実力試験と模擬試験での偏差値は全く異なるものになります。
定期試験や実力試験の難易度低めの問題では得点できるため、勉強に対する構えの甘い方が多いです。
※強制による指導の弊害で、言われたことしかできず、見通しが甘いとも言えます。
どれくらい違うのか
実際に定期試験と実力試験と模擬試験でどれくらい点数が違うのでしょうか?
試験のたびに平均点が変わるのは当然のことですし、平均点にも差があります。
ですから、あまり真剣に作っても限界がありますので、それなりに適当な値ではあります。
あくまで感覚的なものであり、目安と思って頂ければ幸いです。
3年生の中盤、夏休み明け頃をイメージした点数と偏差値を「5教科点数(偏差値)」の形で表しています。
人 | 内申点(5科分) | 定期試験 | 実力試験 | 模擬試験 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Aさん | 25 | 480(65) | 440(67) | 400(64) | 各校のトップクラス、1桁前半の方。 定期試験では平均点が高く、偏差値が頭打ちだが、平均点の下がる実力試験では校内偏差値は上がる。 模擬試験でも60を超える偏差値が出る。 |
Bさん | 20~25 | 450(62) | 400(63) | 350(57) | 定期試験が60を超えるような方は、大体実力試験の方が良かったりする。 しかし、模擬試験では地域的な学力差があり60に届かない。 |
Cさん | 16~20 | 380(54) | 280(54) | 260(48) | 平均よりは多少上の成績を定期試験、実力試験でおさめる。 しかし、模擬試験では地域的な学力差があり50に届かない。 |
Dさん | 14~20 | 360(52) | 210(47) | 180(40) | 定期試験では一夜漬けで何とか平均程度の成績を維持しているが、実力試験では通用せず偏差値が下がる。 模擬試験では更に下がる。 |
Eさん | 13~17 | 260(46) | 160(44) | 140(38) | 平均よりは多少下の成績を定期試験、実力試験でおさめる。 模擬試験では平均を大きく下回り、定期試験で42~44程度の偏差値の人と同程度の偏差値に。 |
Fさん | 10~15 | 220(42) | 140(39) | 120(36) | Eさんとは定期試験や実力試験では大きく差が付くものの、模擬試験ではさほど変わらない。 |
米沢市では多くの方が「Eさん」に該当していると危惧しています。
※知れば知るほど、想像以上にこのケースが多いのではないかと、心配しています。
※「Eさん」ケースが一番辛い事になるかと思います。
遅くとも受験生の夏休み前後には模擬試験を受験し、「現実」を知っていただいた方が良いと思っています。
大丈夫なのであれば安心できますし、そうでないのであれば早目に知って頂き出来るうちに対策を始めてほしいです。
3年生の授業が進む中で1,2年生の内容を復習する事は難しくなっていきます。
更に、1,2年生の内容をわかっていないまま3年生の内容を学んでもわかるはずもありません。
1,2年生の復習が遅れるほど、3年生の内容を復習するための時間も増えていきます。
受験生にとっては既に今までの怠惰を挽回する事は厳しい時期になってしまいました。
無理とは言いませんが、厳しい事は間違いありません。
他人との競争ですから、下りのエスカレーターを上るような状況になります。
頑張っても中々成果が見えない日々が続き、辛いかもしれません。
1,2年生は3年生になって辛い思いをしないよう、自分のために早めに対策してもらえたら幸いです。