今年度はやはり少し違った動きになっているよう思います。
今の時期であれば、2年生1月、3年生4月、3年生6月、7月、8月、5回の模擬試験が行われている時期です。
しかし、今年度は山形県統一模試も6月の実施がなく、7月の山形県もぎも実施できませんでした。
今年度は普通科高校への進学を考えている方で未受験という方も多数おられる事と思います。
私としては、そんな受験生が後悔する事とならないか心配です・・・。
※既出の情報や考えも多いので、いつも私の記事をご覧頂いている方には退屈なものになってしまうかもしれません。
2020年度第一回山形県統一模試のお申し込み状況
9月に山形県統一模試が行われます。
どなたでも気軽に受験できる模擬試験です。
当塾では9月13日(日)と9月19日(土)に実施します。
まだ申込期限内ですが、お申し込み数が昨年と比べてかなり少ないですね。
南学区に会場は3か所ですから約3倍と考えても、かなり少ない状況です。
普通科に進学される方が400名以上いる事を考えると、不安でしかありません。
「受験は楽に合格できるものと思われているのかな?」と思ってしまいます。
受験生の皆様、大丈夫でしょうか・・・?
心配です。
模擬試験を受験せずに秋、冬と迎えていくのは、地図を持たずに旅するようなものです。
大変危険です。
人生が大きく変わる受験ですので、最低限必要な準備はして頂きたいなと思っております。
特に次のような方には模擬試験を受けて頂きたいと思っております。
- 普通科高校の受験を考えている方
- 推薦ではなく一般入試を考えている方
特に普通科高校を志望する方は、できる限り早い時期から受け始めてください。
試験経験があればあるほど有利であることは間違いないかと思いますが、消化することができなければその効果も半減します。
計画的にご利用頂ければと思います。
学校の試験との違い
「学校で定期試験や実力試験があるから模擬試験なんて不要」
というお考えの方もおられるかもしれません。
※そう思われている方はこのような記事は読まれないかもしれませんが・・・。
私としてはそれは危険な考え方になってしまっていると思います。
まず定期試験は一般入試とは大きく異なります。
全く参考にならないわけではありませんが、参考にはできません。
そもそも公立学校は入試で合格するための勉強を教えるための場ではありません。
次に実力試験は一般入試と近い部分もあります。
しかし、こちらも頼る(人生を預ける)には不十分な情報です。
定期試験と実力試験と模擬試験と一般入試の違いを簡単に一覧化してみます。
項目 | 定期試験 | 実力試験 | 模擬試験 | 一般入試 |
---|---|---|---|---|
試験範囲 | 授業の範囲のみ | 1,2か月前位まで | 1,2か月前位まで | 3年間全部 |
試験内容の公開 | 有り | 有り | ほぼ無し | – |
難易度 | 易 | 中 | 難 | 難 |
受験者 | 学校内 | 学校内 | 地域内 | 地域内 |
本番の雰囲気 との違い | 大 | 大 | 小 | – |
志望校判定 | 無し | 無し | 有り | – |
まとめますと次のような点が大きく異なります。
- 模擬試験や一般入試の対策は短期間では不可なため、実力通りの結果となりやすい
- 模擬試験の方が入試に近い形式になっている
- 模擬試験であれば志望校の合否判定を知ることができる
実力試験では試験範囲が公開されていますので、対策が容易です。
そのため、普段から勉強を頑張っている方程、実力以上の結果が出てしまいがちです。
※試験内容は悪くなく、試験範囲表を公開してしまうからそうなるのだと思いますが・・・
実力以上の結果を見て受験対策を進めれば、当日の不幸を招きやすくなります。
実力試験の結果は鵜呑みにはできません。
実力試験は問題の形式はかなり一般入試に似せて作られています。
この点では有効な対策資料となるのですが、難易度はやや低めになっています。
試験も学校で行いますので、「本番の時間の使い方」等は学べません。
模擬試験では会場の方針次第ですが、本番に近い雰囲気で受験が可能です。
時間設定も本番のもので行うと、当日の過ごし方が重要なことも、ご理解いただけるはずです。
繰り返しにはなりますが、実力試験の結果は本番の予想としては使えません。
実力試験では地域内での実力も把握できないことが、大きな欠点になっているかと思います。
もっとも危険な事は、「実力試験で点取れているから大丈夫だろう」という誤った自信に繋がり、対策が不十分となることでしょう。
これらの事から、実力試験から受験の対策を考えていくことは大変危険なことであると思います。
実力試験と本番でどれくらい違うものか
年度や学校、生徒様によって異なりますので、正確な事は言えません。
しかし、実力試験の結果はあまりあてにならないという例は多く見てきました。
先の通り実力試験は範囲表が出されて対策しやすくなっています。
そのため、普段から勉強している方は容易に対策できてしまいます。
ただでさえ難易度が本番よりは易しめであるにも関わらず、対策しやすいのです。
実力以上の結果が出て安心してしまいがちです。
一方、模擬試験では実力試験よりも、実力に近い結果が出てきます。
模擬試験会場として多くの受験生を見てきましたが、実力試験の偏差値から-10という結果が出る方も低くない割合で出てきます。
実力試験で偏差値58で安心と思っていた方が、模擬試験で偏差値48のような結果を突き付けられます。
内申点で5科ALL5に近い方の偏差値が50前後という事も良くあります。
それくらい定期試験や実力試験と実際の実力には乖離がある可能性があることをご認識頂ければと思います。
なお、念のためですが、当塾の生徒様がそうなるという訳ではありません。
三者面談などではこのまま頑張れば大丈夫と言われてきたのに、模擬試験の結果は志望校の変更を促すD判定という事も良くあります。
※志望校を変更したほうが良いかは条件次第ですが
これが一度しかない本番の試験だったらと思うと、私の心配になる気持ちもご理解いただけるかと思います。
受験の目安回数
「受験前、冬に1回受ければいい」という考え方の方も多くおられるかもしれません。
ただ、模擬試験を受験する最終目的は、志望校に合格するためかと思います。
より確かな実力を知ることができるという点が、模擬試験の重要な役割の1つだと思います。
受験直前で実力を知っても、結果を変えることは難しくなっている時期です。
ですから、より早い時期に一度受験頂きたいんですね。
模擬試験もただではありませんし、一日がかりですので、とりあえず受ければ良いというものでもありません。
目的を明確にすることが重要かと思います。
先の通り、実力を知ることが模擬試験の役割であり、実力を知ることで何が変わるかを考えると良いですね。
実業高校
実業高校の場合は2回、3年生の早い段階と、受験前の1月で良いかと思います。
遅すぎると対策が間に合わない可能性がありますので、早い段階で受験し、どのように対策を進めると良いか確認しておきましょう。
2回目の受験は進めてきた対策が効果的だったかを確認するために必要です。
こちらも遅すぎると軌道修正が間に合わないかもしれません。
早すぎても良い結果が出ると油断してしまうかもしれません。
そのあたりを安心して進めたい場合は3回に増やすことも有効かと思います。
ただ、実業高校については倍率が1を切る状況も多く出ています。
勉強しなくても合格できてしまうという方も多くおられます。
貴重な成長機会である受験期を、そのように過ごされてしまうのは、もったいないですね。
倍率が1を切っていても、成功体験とすることはできるはずです。
模擬試験はそのための1つの材料になりうると思います。
普通科高校
普通科高校の場合は受けることのできるものは極力受験頂く事をお勧めします。
塾などご利用頂いていない方は、山形県統一模試の3回は是非受けて頂きたいですね。
当塾の生徒様は毎月一回いずれかの試験を受験することをお勧めしております。
当塾で受験された方向けに、入試の対策となる解説を行っているためです。
難易度の高い問題に正解するためのアプローチ方法等を解説しています。
「毎月は試験し過ぎじゃない?」と思われるかもしれません。
しかし、普通科高校の場合、高校はその後の進学のための通過点です。
その後の進学では、全国の進学校と一年間を受験のためだけに使った浪人生との戦いです。
首都圏の進学塾や高校では厳しい受験を勝ち抜くための授業が行われています。
良し悪しあるかもしれませんが、小学生の頃から一生懸命勉強してきているんです。
高校入学時点で大きな差がついている可能性が非常に高いです。
厳しい戦いになるという事は中学生の時期から認識しておくべきことです。
できる限り高い地点から高校生活をはじめて頂きたいです。
毎回の受験で確実に実力を上げていく「姿勢」が重要になります。
力を抜いて良い状況では無いでしょう。
そのような意味も含め、普通科高校に進学される方は、受験できるときに受験しておくことがおすすめです。
なお、米沢東高校などでも倍率1を切る状況が多く出ています。
勉強しなくても合格できてしまうという方も多くおられます。
米沢東高校では実業高校とは事情がまた違い、さらなる悲劇を生みやすい状況となります。
進学を前提とする普通科高校ですから、合格したことにはそれほどの価値はありません。
次の進路にこそ価値があります。
勉強せず合格した場合、次をどう考えているのか・・・真剣に考えておいてもらえたらと思います。
終わりに
山形県統一模試のお申し込みが始まってしばらく経ちますが、今年度の少ないお申し込み状況に不安を感じております。
当塾は地域の学力向上のために、模擬試験の会場として手を挙げております。
※会場の負担は大きく、志無くして会場を継続することは難しいでしょう。
生徒様が地域内で切磋琢磨し、より上を目指して高校受験を良い経験にしてもらいたいと思っております。
受験という貴重な成長機会を有効なものとして頂ければと思います。
模擬試験をご検討いただけましたら幸いです。