中学2年生女子の生徒様とのやりとりです。
解体新書
こちらのやりとりの件になります。
(本居宣長ってなんかぱっとしなくて覚えにくいよねって話から)
那須:本居宣長の国学は歴史が動いた要素あるよね?
那須:杉田玄白の解体新書とかの方が、なんか四字熟語でインパクトなんか強いけどさ?w
生徒様:w
という訳で今回は「杉田玄白」の「解体新書」です。
教科書的な説明
西洋の学問を研究する蘭学がさかんになり、杉田玄白がオランダ語の人体解剖書を翻訳して「解体新書」を出版した。
補足的に、「オランダの医学書の正確さに驚いた」等とあります。
直接書かれてはいませんが、西洋の優れた学問により医学などが発達したという事を伝えたいのでしょう。
背景を補足
ここで確認しておきたいのは、何故「蘭学」なのかという点ですね。
江戸時代は「鎖国」です。
スペインなどの国を来航禁止にしたり、日本人の出入国を禁止したり、外国との関係を絶つような政策がとられました。
その結果、「江戸時代は外国との関りが無い」というちょっとした誤解を持っているかたもしるかもしれません。
一方で「出島」という言葉も聞き覚えがあるかと思います。
この長崎にある出島ではキリスト教を布教しない中国やオランダとの貿易を行うことができました。
「鎖国」と言いながら、オランダとは貿易できたんですね。
ちなみに中国とも貿易をしていたことも忘れてはいけない点です。
これらをつなぐ
オランダの医学書の解体新書。
蘭学。
そしてオランダは漢字で書くと蘭。
江戸時代に先端優れたヨーロッパの学問を学ぼうと思っても鎖国で直接やりとりはできません。
しかし、ヨーロッパの中のオランダだけは関係を持っていましたので、オランダを経由したものであれば入手することができたのでしょう。
解体新書は「オランダ語の人体解剖書を翻訳」と書きましたが、この元となっている医学書はドイツ人が執筆していたそうです。
そのドイツ人がどこに住んでいたのかまでは、ボクは知りません、すみません。
蘭学と言いながらも、ヨーロッパの学問の事であり、後に鎖国が説かれてからは(西)洋学と言われるようになります。
歴史って繋がってんだよね
と言う事で、ちょっと端折ったりはしましたが、生徒様に説明しました。
那須:・・・(端折って説明)・・・
那須:蘭ってオランダだからね。
那須:解体新書を作っただけ見ると点でしかないけど、
那須:鎖国の事まで考えると、歴史って繋がってんだよね!
生徒様:(ウンウン)
鎖国していても貿易できた国。
それは解体新書が蘭学という事からも、オランダだと覚えることができます。
点の記憶よりも、線、面の記憶が覚えやすいと思ってます。
これをつないであげるのも一つの役割かなと思います。
生徒様が点と点の繋がりに気付いて繋げだすこともあります。
そうなると強いです!